パンフレット

検査室

診療・各部門

検査室紹介

当院の検査科は、大きく分けて生理検査・検体検査・中央採血室の3部門に分かれ、 正職員15名、任期付き・パート職員4名、事務員1名の計20名で各部門の業務を 実施しています。
臨床検査は、病気の診断や治療の経過観察において欠かすことの出来ない分野です。 検査科では”良質で安心・安全な医療の提供”という全スタッフ共通の目標を掲げており、 この目標に沿った医療の提供ができるよう日々の業務に取り組んでおります。
また、当院では検査精度の確保と標準化の為に日本医師会・日本臨床衛生検査技師会が行う臨床検査精度管理調査に参加しております。 院内の感染対策・NST・糖尿病教室等にも加わり、検査技師が得られる情報を提供することで専門性を発揮しております。
院内の感染対策・NST・糖尿病教室等にも加わり、検査技師が得られる情報を提供することで専門性を発揮しております。

業務内容

生理検査

生理検査とは心電図や超音波検査など患者様の身体に直接触れて行う検査です。
心電図検査や超音波検査は下記に記すように様々な検査法や異なった検査部位がありますが、
それぞれに専門的な知識と技能を有したスタッフが対応しております。

[検査項目名]

  • 心電図検査:12誘導心電図、24時間ホルター心電図、運動負荷心電図
  • 呼吸機能検査:肺活量、努力性肺活量
  • 血圧脈波検査:動脈硬化測定
  • 神経伝導検査:糖尿病末梢神経障害チェック
  • 超音波検査:心臓、腹部、乳腺、甲状腺、血管、関節

検体検査

患者様から採取・お預かりした血液や尿、便、喀痰、組織などの検体を各分野に精通したスタッフが検査し、結果を迅速かつ正確に臨床へ報告出来るよう努めております。

①細菌検査

細菌検査は病気の原因となる病原菌の検出を行い、検出した菌に対して有用な抗菌薬を探す検査などを行っております。また、イムノクロマト法および、PCR検査による迅速細菌検査も行っております。

[検査項目名]

  • 一般細菌検査:グラム染色、培養、感受性、耐性菌試験
  • 抗酸菌検査:チール・ネルゼン染色

                          ※培養、PCR、感受性は外注委託

  • PCR検査:コロナウイルス、マイコプラズマ、ヘリコバクター・ピロリ、CDトキシンB遺伝子
  • 迅速細菌検査:コロナウイルス抗原、インフルエンザウイルス抗原、A群β溶血連鎖球菌抗原、尿中肺炎球菌抗原、尿中レジオネラ抗原
    アデノウイルス抗原、ノロウイルス抗原、水痘・帯状疱疹ウイルス抗原

②一般検査

一般検査は採取された尿や便を院内で測定し、一部の検査を除き診察までに 検査結果が報告できる体制を整えております。
また、正確・迅速な報告が出来るよう勉強会の参加や学会発表などを 積極的に行い、日々技術向上に努めています。

[検査項目名]

  • 尿一般定性検査:色調・比重・pH・尿蛋白・尿糖・尿潜血反応・ケトン体・ウロビリノーゲン
    亜硝酸塩・白血球反応
  • 尿蛋白定量検査
  • 尿糖定量検査
  • 尿沈渣検査
  • 便潜血反応検査
  • 寄生虫卵検査
  • 妊娠反応検査
  • 髄液検査
  • 精液検査(要予約)
  • その他各種穿刺液検査

③病理検査

 病理組織検査は手術、または検査の目的で採取した組織の標本を作り、肉眼的レベルから顕微鏡レベルで観察し、病変の有無や、良性、悪性の鑑別、組織の構造や細胞の形態、分化状態を調べることで、疾病の診断、病変の種類や進行度、治療の方針や効果の判定などの評価します。 術中迅速組織検査も行っており、手術中の限られた時間内に標本を作製し、病変が腫瘍かどうか、その腫瘍が悪性かどうかなどの確認や、癌の転移や切除範囲の確認、組織型を決めるために行われます。より適切な手術方法と手術範囲が選択できたり、病巣の取り残しや過剰な切除を防いだりすることができます。

 細胞診検査は自然剥離または人為的に採取した塗抹標本を作って顕微鏡で観察する検査です。 細胞の形態を観察することで病変の有無の判定や、異常がある場合は病名の推定を行います。 病理組織検査と比べて、患者様に対する負荷が軽く、標本の製作が簡便、迅速であることが利点です。

 病理解剖検査は「予期しなかった死亡」の死因を究明する上で非常に重要な検査です。 亡くなった患者様を解剖することで、生前の診断が正しかったのか、また病気の進行程度、治療効果、 そして死因といったことを総合的に判断する目的で行っています。 死体解剖保存法に基づき、ご遺族の同意の下、最大限に配慮し丁重に行っております。

[検査項目名]

  • 組織検査
  • 細胞診検査
  • 病理解剖検査

④生化学・免疫検査

生化学検査は、血液中のタンパク質や電解質、脂質、血糖などを自動分析装置にて測定し身体の中のどこに異常があるかの手がかりとして役立っております。 また免疫の自動分析装置では、腫瘍マーカーや心筋マーカー、甲状腺ホルモン、感染症(肝炎)などの項目を測定しております。

[検査項目名]

  • 生化学検査:総蛋白、アルブミン、総ビリルビン、直接ビリルビン、AST、ALT、LD、ALP、γ-GT、Ch-E、AMY、CK、CK-MB、尿素窒素、尿酸、
    クレアチニン、総カルシウム、無機リン、マグネシウム、血清鉄、UTBC、フェリチン、リウマトイド因子、CRP、ブドウ糖、ヘモグロビンA1c、
    総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、グリコアルブミン、RPR、TP抗体
  • 免疫検査:TSH、FT3、FT4、CEA、CA19-9、AFP、PSA、Free PSA、トロポニンI、NT-proBNP、プロカルシトニン、
    HBs抗原、HBs抗体、HCV抗体、HIV抗原/抗体

⑤血液・輸血検査

血液検査は、血液中の赤血球や白血球などを検査し形態に異常が無いかや、貧血の 有無・凝固機能などを調べ、血液疾患を発見する手がかりとして役立っております。また輸血検査では、血液型の検査や手術及び治療で必要な輸血用製剤の管理と輸血を行う患者様と製剤との適合性を検査しております。

[検査項目名]

  • 血液検査:①血算→白血球数、赤血球数、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値、
             MCV、MCH、MCHC、血小板数、網状赤血球
         ②血液像→好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球
              *目視依頼や機械読みで異常があった場合は鏡検
         ③赤血球沈降速度(30分、60分、120分)
  • 凝固検査:PT、APTT、フィブリノーゲン、FDP、Dダイマー、AT-Ⅲ活性
  • 輸血検査:ABO-Rh(D)血液型、D陰性確認試験、不規則抗体(スクリーニング・同定)、直接クームス試験、間接クームス試験、クロスマッチ試験

中央採血室

血液を用いた検体検査を行うために最も重要なことが採血です。
採血は痛みを伴う検査のため、患者様のご協力が必要不可欠であります。採血スタッフも患者様一人一人の気持ちに寄り添いながら採血を行うよう心がけております。
また、採尿用のカップもこちらでお渡ししております。

学会発表・講演

発表年演題名発表学会名
2025年尿沈渣検査での異型細胞の報告体制標準化への取り組み第74回日本医学検査学会
2024年糖尿病に関連する生理検査の紹介第21回神奈川県糖尿病指導研究会
2024年SCVsを疑うStaphylococcus aureus subsp. Aureusを検出した1症例第39回日本環境感染学会
2024年尿沈渣分析装置AI-4510の性能評価と運用検討第73回日本医学検査学会